ギャラガレギオンズをギャラガレジェンズだと思いこんでいた話は先日しましたが、今でも時々サテリテをザカリテに見間違える海老摺ですこんにちは。
その『ギャラガ レギオンズ』ですが、どうしてもエリア3がクリアできないので唸っていたら
公式サイトが更新されまして、新しく
攻略アドバイスなどが公開されていたり。うわーチャンピオンシップなんかガン無視だったよなるほどなー、と思いながらアドバイスどおりにチマチマ遊んでみたら、あっさりエリア4まで行けましたよ。わーい。
同時に
ストーリーも公開されたのですが、これがまた良い。長すぎず短すぎず適度に読みづらく、プレイヤーのやる気をかき立てるシューティングストーリー……と、こんな言い方ではワケがわかりませんが、シューティングにおける優れたプレストーリーには、欠かすことのできない3つの要素があるのです。
1、むやみに漢字 「絶望」「暴走」「殲滅」などの威圧的で画数の多い漢字と、日常ではまず目にしないSFちっくな専門用語の羅列。これが基本。理想は、文中においてひらがなよりもカタカナ、カタカナよりも漢字の字数が多いことです。『ギャラガ レギオンズ』から引用してみましょう。
特務機関AGADは、その活動の一切を地球外に置く、国連管轄の秘密武装組織である。 対ギャラガ戦線として組織された彼らは、太陽を中心にエッジワース・カイパーベルト最内枠を最終防衛ラインと設定、数百万個単位で敷設した時空変動探知機によって日々侵略者の動向に目を光らせている。
カウントしてみたところ、漢字66文字、ひらがな38文字、カタカナ20文字、アルファベット4文字となっています。実に美しい配分で、まさに理想型。
また、「エッジワース・カイパーベルト最内枠」や「時空変動探知機」などはさっぱり意味がわかりませんが、この場合大事なのは意味よりも雰囲気です。「複雑系」とか「最適解」とかやたら書きたがるブロガーみたいだね、などと言ってはいけません。シューティングとはハッタリ、そしてケレン味なのです。
2、むやみに悲壮 ショーティングゲームは原則として一対多の戦いなので、お話の方も必然的に「お国のためにカミカゼアタック」風になります。咲いた花なら散るのは覚悟、「
男散るなら」を地でいく展開ですが、最近のシューティングはどちらかといえば「女散るなら」の方が多いようです。
有事の際はアルテと呼ばれる雌体型クローンを前線に配備、制宙迎追撃兵装の時空間跳躍戦闘機 AEf-7 ブロウニードルでギャラガの迎撃、掃討を行う。
アルテは個々の人格が与えられておらず、その扱いは備品に等しい。
ザッツ使い捨て量産人間、みんな大好き幼体固定。はゲームが違いますが、相手がレギオンだけに本作も悲壮感ありまくりです。
こういった場合、感情をこめてウェットに書くのではなく、報告書風に淡々と記述するのがポイント。かつてのアイレムシューティング(のストーリー)はこの手法が異様に上手く、悲壮感を通り越して虚無感の域にまで達していました。一方で、この『ギャラガ レギオンズ』もなかなかのものです。
3、むやみにポエム 今現在、AGADのメインシステムがはじき出したギャラガ殲滅の可能性は1%に満たない。人類は、今なお、静かに試され続けている。
普通に書くと「人類はギャラガに負けそう」となるのですが、ポエミィでカッコよさげな文章になるようレトリックを駆使しています。こういったストーリーは、行きすぎると聖書から引用したりしてクドくなるのですが、そこを抑えて最後にさりげなくポエム。粋です。クールです。
このタイプを基本形として、最近は『旋光の輪舞』のように冒頭におとぎ話風の語りを入れたり、『式神の城』シリーズのようにキャラクター紹介がポエムになっていたりと、メーカー各社もひねりを加えてきています。特に、グレフ社作品はストーリーが万年お花畑でポエポエしていると思わせて、突然『アンダーディフィート』のように無味乾燥な8行だけの文章を投下し逆に目立たせる、といった高度な手法を取っており侮れません。
これらの三原則をきっちり押さえたストーリーは、五七五の俳句が日本人のハートに響くように、シューティングファンのハートをがっちり捉えます。たとえば、
『トリガーハート エグゼリカ』のストーリーなどはかなり秀逸。見た目スク水美少女シューティングが、この文章だけで「孤独な決意を胸に秘めたトリガーハートたちの物語」に大変身です。また、その意味不明なトランスぶりが芸術の域に達しているのが
『ライザンバーII』のストーリー。個人的な格付けでは、いまだトップに君臨しています。これぞシューティングストーリー界の夢野久作(なんだそれは)。
ここまで読み返すとなんだかネタ記事みたいですが、というか漢字と仮名の配分などは完全にネタですが、しかしこのエントリそのものは結構まじめに書いています。良いストーリーがあれば、プレイする意欲も出ますしね。実際、『ギャラガ レギオンズ』は半分投げていたのですけど、公式サイトを見てまたやる気が出てきました。
「ストーリーもへったくれもないけど面白いゲーム」は多数ありますし、それはそれでいい。しかし、五七五のように短いながらも濃いストーリーもまた、日本製シューティングの心だと思うのです。「興味のない人にシューティングを勧めるにはどうしたらいいか」といった議論は今でも時おり見かけますが、大事なのはゲームの中身(ゲーム性)だけでしょうか。意外と、こういった地味な部分が効いてくるのかもしれませんよ?