このゲームは呪われている。
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初回プレイ時にまず思い出したのはなぜか『
わくわく7』で、大事なので先に言っておくと自分は『わくわく7』大好き人間なのだが、それでもモヤモヤした気分になるのを抑えられなかった。
対戦格闘ゲームの粗製乱造時代に、ゲージシステムに奥行きを持たせようとしすぎて意味不明になってしまったタイトルがいくつかある。通常技がゲージをためる役にしか立っていなかったり、どれだけ先制していても小パンチから入るゲージ連続技で逆転負けしたり。そのうちゲージを消費して防御だカウンターだと言い出して、ボタンを押したらパンチが出るのが格ゲーのいいところだろうに何じゃこれは、と思った記憶がある。
タメ撃ちに奥行きを持たせようとして意味不明になっている『まものろ』を最初に見た時にも、やはり同じような印象を持った。「呪い弾」の設置や自機呪いも含めた攻略法はわかりにくく、それ以前にレバーでの操作が異様にやりにくい。これらはXbox360版になって攻略DVDとスティック操作が導入されたことで解決されたが、操作が平易になった上にDVDは限定版のみなので、逆に「簡単でいいけど底の浅いゲーム」という誤解が広がってしまっている。
だが、上記の格ゲー群がゲージを使いこなしてコンボを狙えば遊べるゲームに化けたように、『まものろ』も呪い弾を使いこなしてコンボを狙うとかなり面白くなる。コンボを繋げるとランクがぐんぐん上がってハイテンションなゲームになるし、スコアを意識しなければ(時間制限は厳しいが)低難度でまったり遊べる良いゲームなのだ。
にもかかわらず、絶賛されるのは音楽ばかり。いや楽曲は本当に良くて、『東方紅魔郷』1面のような曲が再び聴けるとはー! と感激したものだが、しかし世がバブルならループレバー式の専用コンパネがゲーセンに存在したかもしれないし、通常版にも攻略DVDが同梱されていただろう。この名前の主人公はいろいろ難儀な目にあうのが定番だが、やっぱり呪われているねまもるクン、と思わなくもない。
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ショットが機首(キャラ前面)方向に固定されている全方位シューティングは逃げながら撃ち込むことが難しいので、プレイのコツを掴むまでが非常にかったるい。避けることが主体の弾幕シューティングで、方向固定やロックオンもなしにこの形式だとほとんどゲームにならない。
一方で、『まものろ』は普通に避けながら撃ち込めるゲームになっている。DVDを見ればわかるのだが、高ランクになったこのゲームの弾幕は壮絶なので「ショット方向の可変範囲を広くしたかわりにスクロールが任意になった弾幕シューティング」と考えたほうがいいかもしれない。『
フィグゼイト』あたりの自機選択ができる任意スクロールゲーム復刻版、に思わせておいて、実のところ『
アンダーディフィート』直系の首振りシューティングが発展した形ではないか、という気もする。ショット角は前方180度だけで後ろには振り向けない……ではなく、「振り向く必要がない」ゲームではないかと思えるのだ。
自分の腕前では高ランクの弾幕はなかなかお目にかかれない(目にした瞬間死ぬ)が、強制スクロール面である「大神鴉」戦でその片鱗を感じることはできる。このステージはテンポがいい上に、設置、吸着、弾消し、自機呪いといった呪い弾の性質を順番に活用しないとノーミスで抜けることは難しい。
ここは異常に面白いので全部この調子で作ればいいのに、とも思うが、それだと他のゲームと大差ない。だが、このステージからは「普通のシューティングを作ろうと思えば面白く作れるんですよ。でも弊社のゲームは一風変わっているのがウリですから」という強烈な自己主張が感じられて、うわグレフだ間違いなくグレフゲーだよ、と妙なところで感心させられる。今回は共同開発らしいのだが、「作ろうと思えば面白く作れる」あたり、つまり奇抜なアイディアを遊べるシューティングに仕上げる作業がガルチ社の領分だったのかなあ、という気がした。
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このゲームは呪われている。しかし、遊んでみるとわかるのだが、「呪い」という要素はゲーム内において必ずしもネガティブに扱われていない。タイトルの「呪われてしまった!」などは、むしろ誇らしげですらある。
設置した呪いフィールドに突っ込んだら、自機が呪われてしまってバカ強くなるゲーム。時代に逆行するフィールドにあえて突っ込んで、自らを呪ってしまったゲーム。世の中のせい、市場のせいと他者を呪うことが容易なこのご時世に、自身が呪われることで得た「強さ」とは何だったのだろうか。その答えは、冥界に呼ばれた4人+1人をハッピーエンドに導いてやればきっとわかる……かもしれない。